小川洋子著【博士の愛した数式】
こんにちは。まろんこです。
今日は仕事の夏休み最終日です…
今年はコロナのウイルスの影響で異例の9連休。
感覚的には1ヶ月くらいがあっという間に過ぎた感じです。
毎日ぐーたら本を読んだりして家に篭っている方が多かったので、
今日は明日のために普通の生活に少しでも戻そうと早起きしてみたけれど、
24時間寝て起きたような体の怠さが残っています。
社会人になってからこんなに休んだことはなかったので、
休むことは大切だけれど、生活のリズムも大切だなと思いました(T . T)
さて、そんな夏休み最後となる読書感想は小川洋子著【博士の愛した数式】です。
学生の読書感想文のオススメ本としても良く取り上げられていますね。
人気映画にもなっているので、名前を知っている方も多いと思います。
あらすじを読んでみます。
「僕の記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが止められていた。ーー記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい“家政婦。博士は“初対面“の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は喜びと驚きの満ちたものに変わった。あまりに寂しく暖かい、奇跡の愛の物語。
この物語の登場人物は主に
事故による後遺症で80分しか記憶がもたない元数学教授の博士と、
その家政婦、私。
それから私の息子である“ルート“です。
息子の“ルート“という呼び名は
頭がルート(√)のような形をしていて、どんな難しい数字も受け入れる寛大さから
博士が家政婦の息子に“ルート“と名付けたのです。流石数学の博士ですね!
博士は私が家政婦の担当となるまで、何回も家政婦をチェンジしていて、
家政婦組合の中でも厄介者として扱われていました。
これは博士の記憶が80分しか持たないことから、うんざりするほど何度も同じ数学の話をされたり、
人に対してもぶっきらぼうなところがあったからです。
そんな厄介者とされていた博士に9人目の家政婦として雇われたのが、“私“なのです。
"私"は「わからない事や、困ったことがあっても全て博士の住む離れで解決をする様に」という
母屋に住む老婦人からの言い付けを守り、
時に怒られたりトラブルが発生したりしつつも、博士と10歳のルートと毎日を過ごすことになります。
博士が元数学教授ということもあり、毎日私に電話番号や誕生日、足のサイズなどを聞き、その数字の素晴らしさを語ったりする(しかも80分で記憶はなくなるので毎回聞いてくる)ため、小説内は数式がた〜くさん登場しますが、
単に難しいものではなく、“1ー1=0“とか、"28:1+2+4+7+14=28"など
博士は誰もが理解できるシンプルな数式で数学の美しさ語るので、主人公の“私“がそうなるように、私もだんだんと“数学“というものはこんなに奥が深いのか、と思い知らされました。
ところで、まろんこは以前【フェルマーの最終定理】を読了したのですが、思った以上に数学要素が強過ぎてサラサラ流し読みして(それでも2週間かかりました)終わりとしていました…
そしたら登場人物の“私“も博士に影響されてある数式の謎に迫るために
図書館で【フェルマーの最終定理】を読んでいるではありませんか!!!
しかもその内容がちょこちょこ出てくるではありませんか〜!!!
オイラーの公式やフェルマーの最終定理に日本人が関わっていたことなど。
難しかったけれど、頑張って読んどいてよかったです、なんだか嬉しい。
なので途中出てくる数学的な内容や歴史についても私は理解しやすかったです。
数学要素たっぷり目の【博士の愛した数式】ですが、ルートと博士が野球好きということから
野球についての話もたっくさん出て来ます!
こういう部分はは野球好きな男性な方にもぴったりだと思います。
しかし、事故以前の記憶しか残っていない博士と、まだ今を生きる人では
同じチームやルールであっても、選手はすっかり変わってしまっています。
こういうところが本当に焦ったいんですよね…本当は3人で同じ記憶で楽しみたいのに。
記憶がもたない博士をかばって会話をする、私と息子のルート…
一見悲しく感じるのですが、2人の博士と楽しく過ごしたいと思う優しさと、
その優しさを察知して懸命に答えようとする博士の姿に心温まります。
3人は家族ではありませんが、毎日お互いを思いやる心に心染みる1冊です。
号泣できるシーンがあったり、無茶苦茶な事件が多いというよりかは
平凡で満ち足りたシーンが多く、それと並行して切なさが進行しているイメージでしょうか。
人の暖かさに触れたい方、数学が好きな方、ぜひ読んでみてくださいね♪
以上、まろんこでした。