桜木紫乃著【ホテルローヤル】
こんにちは、まろんこです。
少し久しぶりの更新になってしまいました。
思うように仕事が進めずメソメソしていたことと、
ただ単純に読了した本が無かったことでネタもなく
ブログが書けなかった次第です。
けれど、一昨日から私の会社も夏休み♪
早速手を付けられていなかった本達を読み始めています^ ^
その中の1冊が写真の通り、桜木紫乃著の【ホテルローヤル】です。
裏表紙を読んでみましょう〜
北国の湿原を背にするラブホテル。
生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常“を求めてその扉を開くーーー。
恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。
貧乏寺の維持のために檀家達と肌を重ねる住職の妻。
アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。
ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出ていく。
ずっと気になっていた【ホテルローヤル】ですが、
過激すぎる内容だと抵抗があるなぁと思ってなかなか手が伸びませんでした。
後は主人に欲求不満な目で見られないかな〜とか(笑)
それが今年の集英社文庫“ナツイチ“に選ばれていたことから
「これは間違いないな!」と思ってとうとう購入した1冊です。
私の勝手な想像で、性行為に焦点が当たっているかと思いきや、
テーマはラブホテルと、そこに通う人や、従業員達の生活模様です。
最初の章“シャッターチャンス“では、
廃墟となった【ホテルローヤル】というラブホテルで、
彼氏にヌードの写真を撮られる女性の話はかスタートしますが、
他の章を読み進めるにつれて、そのホテルがなぜ廃墟になったか、
どんな歴史や出来事があったか、どんな人が関わっていたのかが現れてきます。
なので、最後まで読んで初めてこの物語の印象が分かると言ったところでしょうか。
最初はただの“廃墟“でしか無かったラブホテルが、悲しい哀れな建物に見えるのです。
また1から読み直したくなります。
また桜木先生は北海道出身ということで
そこかしこに散らばる背景の描写もリアルで、どこか冷たいことが
この物語をより切なくしていますね…
恋愛ものではなく、私的には【貧困】のイメージです。
金銭的なもものもちろんですが、心の貧困、孤独、絶望、と言った感じで
途中で読むのが辛くなるほど切なく苦しい出来事が続いていきます。
実際にはハッピー♪な気持ちでラブホテルを利用する方も多いとは思いますが、
一方訳ありな男女が多いのもラブホテルの事実。
誰とも顔を合わせることのないラブホテルだからこそ、
普段見ることのない男女それぞれの理由がとても生々しかったですが、
そこにのめり込んでしまいました。
心が元気な時に読むことはオススメします。
以上、まろんこでした!